「琉球建国記尚円伝」矢野隆著
「琉球建国記尚円伝」矢野隆著
琉球の離島、伊是名島で水泥棒の汚名を着せられた金丸は、村人たちに襲われ、妻と弟を連れて本島に逃れる。たどり着いた宜名真に落ち着くが、数年後、再び追われる身となり、家族と別れて、単身で首里に向かう。
元武士の亡父から世のことを学んだ金丸は、何とか首里城に潜り込むことに成功したが、ありついた仕事は城内の馬の世話だった。毎日、馬の糞と格闘する中、城の主である尚家王朝3代目尚忠の弟・泰久が襲われる事件が発生。金丸の同僚の田勇が実行犯のひとりとして首をはねられる。この陰謀を足掛かりにして出世の機会を狙う金丸は、田勇の仲間に殺されかけるが、間一髪、助けられ、泰久に召し抱えられる。
15世紀、権謀術数を駆使して琉球王国(第二尚氏)国王に上り詰めた男の生涯を描く歴史長編。 (集英社 858円)