著者のコラム一覧
小田桐誠立教大学・武蔵大学非常勤講師

1953年青森県生まれ。出版社勤務を経て79年から著述業に専念。著書に「ドキュメント生協」「消えたお妃候補たち」「PTA改造講座」「テレビのからくり」「NHKはなぜ金持ちなのか?」など。07年9月から15年3月までBPO「放送と青少年に関する委員会」委員を務める。

TBS「噂の東京マガジン」森本毅郎氏 喜怒哀楽では当代一!

公開日: 更新日:

診断結果は…【優】

 MCに求められる資質と条件は、仕切りのうまさ、切り替えの早さ、演技力(喜怒哀楽など感情の起伏を表現する力)、豊富な取材・報道体験から紡ぎだされる説得力ある言葉など多岐にわたる。演技力では「ニュースステーション」の久米宏、説得力のある言葉では「NEWS23」の筑紫哲也が代表格だろう。

 現在のMCの中で久米宏に近いと思われるのがTBS系「噂の東京マガジン」の森本毅郎だ。喜怒哀楽のうち「怒」が目立ち過ぎるきらいもあるが……。21日の「週刊見出し大賞」では、ある動物園で飼われているキジが話題になった。飼育員の「トランプ米大統領に似ていると言われます」との発言を受け、トランプの写真と見比べると確かに……スタジオは笑いに包まれたが、大声で笑う井崎脩五郎に対し森本は苦笑いと対照的だった。

「噂の現場」は「湯長制度」の廃止を打ち出した草津温泉。湯長は16種類の揉み方で湯を混ぜ、客の症状や体調に合わせて湯の温度や成分を示したりし、同温泉の売りでもある。客の症状などを聞くことは問診に当たり医師法に違反するとして町長が廃止を宣言。客や町民の間では賛否両論が起きている。140年続いてきた制度が廃止の危機にあることについて、森本は「効能をどう論じるか難しい。海外では効能を認めているところもある。判断基準がバラバラになっているのはどうか」と少し気難しい表情で発言した。

 頭とヒゲに白いものが目立ち、両目を寄せる、口元をギュッと結ぶなど多彩な表情が言葉以上に視聴者に響くことも。森本らしさはそこにある

 タイトルを変えて8年4カ月続いてきた当欄は今回が最後。長く愛読していただいた読者に感謝します。

【連載】MCコメンテーターの診断書

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