サザン桑田の才能を見抜けなかったことに一生悔いが残る
あのサザンオールスターズのメンバーが下北沢ロフトのアルバイトとして働き、単なる店員バンドのひとつとしてシモキタ・ロフトをたまり場にしながら活動していたなんて、今となっては誰も信用しないだろう。
そんなサザンのメンバーたちにビッグチャンスが転がり込んできた。
常連客だったビクターのプロデューサー高垣健さんがサザンのことを気に入り、大手芸能事務所アミューズ(の創業者で現会長)の大里洋吉さんにテープを手渡した。
■無名バンドがベストテン出演
大里さんがロフトの事務所にやってきた。TBSの人気歌番組「ザ・ベストテン」で「サザンを生中継したい。新宿ロフトを使わせてほしい」といきなり言ってきた。
「ええっ! サザンをベストテンに出す!?」
プロデビューしていたとはいえ、まだ無名に近いバンドが、注目コーナー「今週のスポットライト」に登場することになった。1978年8月31日。メンバーは半パンをはいている。桑田佳祐さんが、デビュー曲の「勝手にシンドバッド」を絶叫した。サザンは大ブレークを果たし、もの凄い勢いで国民的大人気バンドになっていった。