あの6つ子が大人に!「おそ松さん」笑いと癒やしの清涼感
そんな中で「おそ松さん」は、第1期の第1話がさまざまな作品のパロディーを詰め込みすぎてお蔵入りになる、という一つの事件ともいえるような伝説を残した。一方でそれが今後の「おそ松さん」の方向性を視聴者に色濃く印象付けるものにもなり、ネットを中心に一気に火がついた。「一体、次は何が飛び出すのか」と視聴者が刺激を求め始めたのだ。
いつの間にか普段「アニメを見ない層」もそんな刺激を求め、「おそ松さん」を面白がって見るようになっていた。
■誇れるところが何もない新たな主人公たち
「おそ松さん」では、6つ子が大人になった姿を描いているのだが、6つ子たちは揃いも揃ってニートで童貞だ。それぞれ大人になり、個性が備わったが、極度のナルシシストだったり、自虐的な根暗だったり、あざとい腹黒さを抱えていたりと、一筋縄ではいかないような成長を遂げた。
尊敬すべきところも、誇れるものもないのだが、逆にそれがよかった。アニメやゲームで描かれる完璧な男性像に飽き始めていた女性たちにとっても、それは「新鮮」に映ったのだろう。この6つ子の姿こそが、「これでいいのだ!」という赤塚先生の不動の精神を遺憾なく発揮するための、重要なファクターだったのだ。