“変則漫才”マヂカルラブリーはなぜM-1GPで優勝できたのか
■“鬼才”野田クリスタルは「R-1」に続き2冠
お笑い評論家のラリー遠田氏は「今回、コロナの影響もあり、芸人たちも舞台に立つ回数が減っていた影響か、変則的な漫才が多かった印象です」としてこう話す。
「技術力がある正統派ばかりでなく、錦鯉やおいでやすこがら個性的で爆発力のある芸人が決勝戦に残っていましたね。そんな中、野田さんが体の動きだけでボケを演じるマヂカルラブリーの漫才は、“しゃべくり漫才”から見ると非常に変則的です。しかし、チャプリンやキートンのような喜劇役者が演じていたサイレントコメディーのようで、ある意味、原点回帰とも言えます。村上さんのツッコミはいわばその手の映画の字幕のような役割を果たしていた」
こうしたネタを書いているのは野田だというが、野田は今年3月に行われた「R-1ぐらんぷり2020」に続けて2冠。
「Mー1とR-1の2冠は、霜降り明星の粗品さんに続けて2人目です。ピン芸とコンビ芸は全く違うものですし、野田さんはR-1では、今回とは全く違うタイプのネタを披露していた。器用で芸達者というか、まさに“鬼才”と言っていいと思います」(ラリー遠田氏)
会見で野田は、「史上初のお笑い3冠王(Mー1、R-1、キングオブコント)を目指します」と宣言。新たな鬼才がお笑い界を席巻する日も近そうだ。