韓国ドラマは国内視聴率よりネット配信で世界を相手に競う
一方で、このときすでに韓国では世界で売れるコンテンツ作りも始まっていた。政策のひとつに“コンテンツの世界展開”を掲げていた金大中政権以降、韓国ではテレビ番組のネット配信に積極的だった。肖像権の侵害や海賊版を懸念してネット配信を嫌った日本とは逆行し、これが功を奏したのだ。
ケーブルテレビ局が次々と誕生したこともプラスに働いた。放送局が増え、制作されるドラマの本数も急増する。地上波よりも自由度の高いケーブルテレビはさまざまなジャンルのドラマを制作。その出来は地上波ドラマをしのぐ勢いで、気づけば韓国は“コンテンツ大国”となっていた。
そして今、ネットフリックスのような配信サービスが主流の時代に突入したのだ。質の高いドラマを制作すれば世界190カ国に一斉配信され、視聴してもらえる。もはや国内での視聴率より、配信サイトで世界のコンテンツと再生回数を競うのが当たり前の状況になった。
日本でも現在はネトフリ加入者が500万人を突破したが、10年前まではDVDがよく売れていた。チャン・グンソクが主演する「美男<イケメン>ですね」のDVDボックスが7000超も売れ、韓国で驚きをもって報じられた頃が懐かしい。