<29>2017年12月、ドン・ファンから六本木のホテルに呼び出され早貴被告とも再会
眼下に夕暮れの東京の明かりが広がっているフロアは、100人以上が入れそうな広さ。壁側にはうどんやハムなどのスナックが並んでいるコーナーやケーキ、フルーツなどが並んでいるコーナーがあり、バーカウンターも併設されている。会員及び会員が連れてきた者は無料で自由に飲み食いができるシステムになっているが、それほどおいしいモノが置いてあるわけではない。何度も行っている私は、食べ物に手を付けることはなかった。
一番奥に行くとドン・ファンと早貴被告がいた。そのテーブルには、ケーキやフルーツなどが載ったアフタヌーンティーのスタンドが2つ置いてあった。
「ああ、田辺ではお世話になりました。お久しぶりです」
早貴被告に声を掛けたが、ペコリと頭を下げるだけだった。ベージュ色のざっくりとしたワンピースを着ていて、田辺で会った時のホステス風の衣装よりはずっと感じがいい。
「これと同じでええんかな?」
ドン・ファンがウエートレスの女性を呼んだ。