<92>「日本人ノ顔」の動機 人間を撮れば日本が写るから始めたんだ
撮り始めたらみんないい顔してるんだよ
日本を撮ろう、人間を撮れば日本が写るっていうことでね、始めたんだ。「日本を撮る」っていう気分があったんだよね。最初は大阪で1000人撮って、それから福岡、鹿児島、石川、青森、佐賀、広島ってやったんだよ(「日本人ノ顔」プロジェクトは、全国各地域に暮らす人々の肖像を撮影、現代日本文化の総体を記録しようとする試み。21世紀の日本人のポートレートを日本全国で撮影、第1弾として「大阪ノ顔」1000人のモデルを一般公募、2002年1月より撮影をスタートし2日間で約200人を撮影、大阪で撮り下ろした840組1680人の肖像による『日本人ノ顔 大阪』全3巻[紀伊國屋書店]を刊行、記念写真展[紀伊國屋画廊]を開催)。
家族で撮って欲しいとか、子どもと一緒に撮ってくれって言ってきてね、撮り始めたら、みんないい顔してるんだよ。「日本人ノ顔」で、オレが確信したっていうか、教えられたのはね、家族とかさ、そういうことが素晴らしいことだっていうのに気づかされたね。それと、歳とっていくのがいいっていうこと。おじいちゃん、おばあちゃんの肖像がね、いいんだよ。