NHK夜ドラ「ミワさんなりすます」は“なりすましドラマ”の大本命!
今年の夏から秋にかけて、「なりすましドラマ」が目立った。主婦が有名女優になりすました「この素晴らしき世界」(フジテレビ系)。女子大学生が友人のキャラクターを借りて就活をする「わたしの一番最悪なともだち」(NHK)などだ。
なりすますとは、「実際はそうでないのに、なりきったふうをする」こと。それを主要な要素としたドラマを「なりすましドラマ」と呼ぶなら、現在放送中の夜ドラ「ミワさんなりすます」(NHK)は、本命といえる一本だ。
映画オタクの久保田ミワ(松本穂香)は、ひょんなことからスーパー家政婦・美羽さくら(恒松祐里)になりすまし、世界的俳優・八海崇(堤真一)の邸宅で働いている。
現時点でこの秘密を知っているのは八海とさくらだ。八海はミワと映画愛を共有し、さくらはミワを通じて知る八海情報を楽しんでいる。熱烈な八海ファンであるミワは、正体がバレそうになるたびにドキドキしたり、反省したりと大忙しだ。
原作は青木U平の同名漫画。脚本は「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)や「私の家政夫ナギサさん」(TBS系)などを手掛けてきた徳尾浩司だ。松本が演じるミワは原作以上に天然系で応援したくなる。また堤の八海は原作よりも人間味があって親近感が持てる。
生きることに不器用でも、何かを「好きであること」自体が才能だと教えてくれる佳作ドラマだ。