社会との繋がりを求め 爆笑問題・太田光は自らのスタンスを貫き通す
世間的なイメージでは、太田はそんなネットの意見など気にしないと思われがちだが、実はそうではない。「見てもろくなことはないっていうのはわかっているんだけど、気にしないほうが無理。漫才がウケたか気にするのと同じように、自分が出た番組がどのように世間に受け止められたかというのは気にします」(小学館「週刊ポスト」24年4月26日号)と言い、逆に気にしないとダメだと語る。「社会と繋がっているのが大衆芸能だから」(同前)と。
そのスタンスはデビュー当時から一貫している。チェルノブイリ原発事故や中国残留孤児を扱ったネタを披露。「テレビでは流せない」と散々言われつつも、「テレビって昔からがんじがらめのメディアだからね。ダメな言葉の線引きが変わっているだけで本質的にはほとんど変わっていない」(同前)とあくまでも大衆が見ることができるテレビでギリギリ可能な表現を模索し続けた。
太田が主張するのをやめないのは「自分の思ってることしか話せないから」(「Quick Japan」=前出)。だから、言っているときにそんなに大ごとになるなんて思っていないという。一時は「#太田光をテレビに出すな」がSNSのトレンド入りすることもあった。それでも「人に嫌われることより、自分に嫌われるほうがいやだから」(KADOKAWA「ダ・ヴィンチweb」24年6月12日)と自らを貫き通している。