風邪と酷似する【肺気腫】 進行次第では呼吸不全や心不全も
担当医に症状を訴え、「胸部画像診断(CT検査)」と「肺機能検査(スパイロメトリー)」を受診した。
通称「スパイロ検査」とは、肺活量計の筒を口にくわえ、息を吸い込んだ後、出来るだけ早く息を吐き出す。吸ってから吐き出すまでの呼気量を測定するもの。結果、古澤さんは「3期高度」の肺気腫と診断された。
肺気腫の病気分類には「1期軽度」から、息切れのひどさで生活に支障を与える「4期極めて高度」の4段階がある。古澤さんは、症状だけ見れば咳、痰程度と軽症だったが、実際は重症だった。
肺気腫の症状は風邪に似ているため、つい見過ごされて治療に後れを取るケースも少なくない。しかし、進行次第では呼吸不全や心不全を起こすという命に関わる怖い病気なのだ。
広げるとテニスコート1面ぐらいの大きさになるという肺には、「肺胞」といわれる無数の小さな風船のような部屋がある。この肺胞が破壊されると、呼吸に支障を来す。壊れてしまった肺胞は元に戻らないため、膨らんだままの風船をたくさん抱え込んでしまう状態になる。これが肺気腫だ。