皮膚科に聞いた “寒い・怖い”でなぜ「鳥肌」は現れる?

公開日: 更新日:

「寒い」「怖い」「感動した」ときなどに皮膚に現れる「鳥肌」。何のために、鳥の毛をむしったようなブツブツな肌になるのか。「池袋西口ふくろう皮膚科クリニック」(東京)の藤本智子院長が言う。

「寒いと鳥肌が立つのは、人間が動物だったころの名残です。体を膨らませているスズメを見たことがあると思います。動物は寒いと毛を立てて、ダウンジャケットのように空気の層をつくって体からの放熱を防ぎます。しかし、人間は全身を毛で覆われていないため、皮膚の表面を流れる血管を収縮させ、血流を減らして体の放熱を抑えるように発達したのです」

 つまり、鳥肌とは体毛を立たせている状態。実は、皮膚の毛は普段は少し斜めに寝て生えている。その毛を立たせるのは、1本の毛根に1~2個ついている「立毛筋(りつもうきん)」と呼ばれる微小の筋肉だ。鼻毛、眉毛、まつ毛、顔の産毛の一部を除いては、ほとんどの体毛についているとされる。寒いと立毛筋が収縮して、毛穴の周囲の皮膚が毛穴をふさぐように盛り上がる。これがブツブツの正体だ。

「立毛筋は自分の意思で動かすことができない不随意筋(ふずいいきん)で、アドレナリン作動性の交感神経に支配されています。寒いと交感神経が活発に働きはじめ、アドレナリンの分泌が促進されて立毛筋が収縮するのです。皮膚表面の血管を収縮させるのも、同じように交感神経の働きによるものです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ