新規の放射線内用療法で末期前立腺がんの生存期間を延ばす

公開日: 更新日:

JCHO東京新宿メディカルセンター放射線治療科 黒﨑弘正部長

 同院放射線治療科の黒﨑弘正部長(顔写真)は、骨転移したがんの治療のエキスパート。昨年3月、ホルモン療法の効かない前立腺がん(去勢抵抗性前立腺がん)の骨転移に対して、国内初のα(アルファ)線を放出する放射性医薬品(ゾーフィゴ)が承認されたが、いち早く取り入れて高い治療成績を収めている。

 骨転移の放射線治療は、体の外から放射線を照射(外照射)して痛みを緩和する方法が一般的だが、放射性医薬品を静脈注射するという方法(放射線内用療法)もある。黒﨑部長が言う。

「放射性医薬品は放射線を出す物質を含んでいて、体内に入るとカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があります。代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれるので、それによって体内でがんを選択的に叩くのです。ただし、薬品はRI(ラジオアイソトープ)管理区域でないと注射できないので、どこの病院でも行えるわけではありません」

■国際共同試験では4カ月延命

 これまで骨転移の放射線内用療法では、がん種を問わずβ(ベータ)線の放射線を出す「ストロンチウム―89(メタストロン)」という薬品が使われていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは