“手荒れ”を軽視するべからず 痒みや湿疹には重大病が潜む
手がカサカサ乾燥したり痒くなったり赤いポツポツができたり……。冬に増える「手荒れ」だと思っていたら、違うケースもある。
「手がこんなふうになっちゃって……」などと言いながら、手の症状の相談に来る患者は多い。
「皮膚科でも手の疾患に詳しくない医師はいる。手に皮膚症状があると、簡単に『手荒れだね』と言われ、きちんと対応してもらえなかったと話す患者さんを多く経験します」
こう話すのは、東京慈恵会医科大学皮膚科学講座・梅澤慶紀教授だ。
手の主な皮膚疾患は、手湿疹、異汗性湿疹、掌蹠膿疱症、手の真菌感染症など。ひとつずつ説明していこう。
【手湿疹】
「いわゆる“手荒れ”で、家事で使う台所用洗剤などで手がガサガサに荒れた状態です。一般的に、手の皮膚症状を訴えて来院した患者さんは全て“手荒れ”と診断されがちですが、ほかの疾患であるケースは珍しくありません。鑑別が大事」
手荒れであれば、利き手(右手)の親指や人さし指を中心に症状が出る。家事で使う頻度が高い部分だからだ。冬場に悪くなることも特徴だ。