減量手術の総本山 糖尿病歴10年未満なら約9割が“寛解”
■症例数は日本一で手術死亡ゼロ
減量手術は、簡単に言えば胃の容量を小さくする手術。主に4つの術式があるが、最も多く行われているのは保険適用の「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)」、次いで「腹腔鏡下スリーブバイパス術(LSGB)」という。
「LSGは胃だけをバナナ1本くらいの大きさにする手術で、所要時間は約1時間半。LSGBは胃を小さくした上に、食物が十二指腸や小腸の一部を通らないようにする手術で、所要時間は3~4時間。入院期間は、どちらも4泊5日です」
術後の体重減少効果は1年から1年半のデータで、BMI平均42で約40キロの減少。ごく一部に食習慣が変えられずリバウンドする人もいるが、5年以上の長期的な体重減少が証明されているという。糖尿病も8割以上の人は、薬一切なしでヘモグロビンA1cが6・5以下にとどまる“寛解”の状態になる。他のすべての合併疾患も6割以上の確率で改善するという。
「糖尿病が寛解に至らないケースは、インスリンの分泌が枯渇しているような重度の方です。だから、手術は早ければ早いほど改善効果が見込めます。特にLSGBは糖尿病に対する効果が高く糖尿病歴が10年未満なら約9割の患者さんは寛解へもっていけます」