気付けば末期状態…症状ゼロの腎臓病で知っておくべきこと
健康診断ではクレアチニンで表示されるが、目安として、クレアチニン1㎎/デシリットル以上がCKD、6㎎/デシリットル以上で透析を検討する。腎機能低下による症状が出てくるのは、クレアチニン6㎎/デシリットル以上。
「症状が出た時は命に関わる末期状態。透析直前でも本人はピンピンしていて、むくみが少し出る程度です。それほど腎臓は予備能力が高い。しかしステージが進むにつれて悪化速度が増し、ある時急激に悪くなるところがCKDの怖さです」
CKDの進行は透析を招くだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率を高める。
■治療
生活改善や薬物療法を経て、透析治療あるいは腎臓移植になるが、“いきなり透析”のCKD患者も珍しくない。
透析は血液透析と腹膜透析がある。機械を使って血液を濾過する血液透析に対し、腹膜透析は透析液を出し入れするカテーテルを腹部に埋め込み、腹膜の機能を利用して血液を濾過する。
「腹膜透析の方が残った腎機能を維持するのに良好で、QOL(生活の質)、患者満足度も良い。しかし、普及率が低い。透析治療を受けているのに、腹膜透析の存在を知らない患者さんもいます。透析患者の4割が腹膜透析を知らない、というデータもあります」