気付けば末期状態…症状ゼロの腎臓病で知っておくべきこと
その理由として、十分な情報提供が患者さんに行われていないこと、さらに腹膜透析に熟練した医師や看護師が少ないことが挙げられる。
「さらに、診療報酬との関係などから、患者に腹膜透析の提案をしていない医師が多いことも挙げられます。ある調査では十分な情報提供が行われないために、患者は腹膜透析と双方のメリットを比較しないまま血液透析を受けていると報告されています」
今回の診療報酬改定で療法選択に関する加算が充実した。医療者側も腹膜透析に関する情報提供を積極的に行うことが予想されている。
「アメリカでは十分情報提供を行うことで、50~80%の患者さんが血液透析ではなく腹膜透析を選ぶという調査結果も出ています。週数回、3~5時間かけて医療機関で受けなければならない血液透析よりも、24時間連続的に自宅でも外出先でも受けられる腹膜透析の方が自由度は高い。今後は病院側も積極的に情報提供を行うべきと考えます」