<5>歯学部が実証 歌うことで嚥下率が高まりストレスも軽減
近年、関心を集めている「誤嚥性肺炎」の予防対策として、身近にある「カラオケ」にも効果があることが分かってきた。
口から物をのみ込む働きを嚥下機能という。加齢とともにこの機能が低下する。結果、口から食道に送り出される食べ物や飲み物、あるいは唾液が、空気が入る肺に入ってしまうのだ。
こうした症状を「誤嚥」といい、誤嚥性肺炎は、誤嚥によって細菌も器官を通して肺に入り込み、炎症を起こす病気だ。
「カラオケ歌唱の口腔機能に与える効果」について、「鶴見大学歯学部」(神奈川県横浜市)が以下のような検証を行った。
試験期間は8週間。被験者に週に4回、1回1時間程度カラオケで歌ってもらい、「嚥下機能」と「免疫力」に関するデータを検討した。
嚥下機能のテストは「反復唾液嚥下テスト」(30秒間に何回反復嚥下できるかの測定=RSST)、もうひとつは「咬合力テスト」(噛む力を専用機器で測定)の2つである。
解析結果は、開始前と開始8週間後では、いずれも数値が上昇し、嚥下機能を高める数値を示した。