長生きとの関係は? 家系=遺伝子で本当に寿命は決まるのか
日本で長寿というと双子の姉妹「きんさんぎんさん」(写真)が有名だが、成田きんさんは107歳、蟹江ぎんさんは108歳まで生きた。ぎんさんの4人の娘さんは90歳を過ぎても元気だったという。
しかし、その一方で、カルマンさんの子供たちが長生きだったかというとそうではない。カルマンさんの夫は74歳で亡くなった。その子供は36歳で亡くなり、孫も同じ年に事故で亡くなった。
日本人の平均寿命は大正時代から30歳以上延び、100歳以上の人口も150人ほどから6・9万人超と400倍以上増加。驚異的なペースで長生きする人が増えている。しかし、この50年間で長寿遺伝子が突然生まれたとは考えられない。そのため、これは栄養が良くなり、公衆衛生が改善するなど環境要因のせいだと考えられる。ならば、長寿遺伝子はどこにどんな形で存在しているのか? 以前、世間の関心を集めた、サーチュイン遺伝子はどうか?
この遺伝子は2000年に米国の研究者が酵母の中から発見したもので、誰もが持っている。活性化すると細胞内でエネルギーをつくる小器官「ミトコンドリア」が増え、古くなったタンパク質やミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる「オートファジー」という機構が働くことがわかっている。