次の医学賞候補が開発 15人中7人のがんが消えた光免疫療法
難しい仕組みを簡単に説明するとこうだ。抗体の中には、がん細胞にだけ結合するものがあり、そんな抗体に近赤外光線の光で化学反応を起こす物質をつけ、注射で体内に注入。抗体ががん細胞に結合したタイミングを見計らって光を当てると、化学反応による熱でがんの細胞膜が破壊され、がん細胞だけを選択的に死滅させる可能性が高いという。
東大医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一氏が言う。
「米国での治験が始まる前は、計画通りに進むのか半信半疑でしたが、その後の報告を読むと、期待値は高そうです。治験が終わって実際の臨床現場で使われるようになると、頭頚部がんや膵臓がんなど体の奥にあるがんでは、手術と光免疫療法を組み合わせた治療法はより効果的でしょう」
実用化を待とう。