新薬2種類が承認間近…大きく変わる慢性便秘の治療最前線

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 便秘の恐ろしさはもうひとつある。対策が遅れると、便秘を専門に診ている医療機関でも治療が難しくなる点だ。「便秘=病気」という認識がないため放置する。これが年単位で続くと、硬い便が排便時に肛門を傷つけ、やがて便意を感じられなくなり、「自然な排便」が不可能になる。

■市販薬の多くは依存性が高い

 市販の便秘薬を使用する人もいるが、これはこれで最悪の結末を招くこともある。

「市販薬の多くは腸を直接刺激して、蠕動運動を引き起こす刺激性下剤です。習慣性、依存性が強く、まるで麻薬のように手放せなくなる。日本の男性は便秘の相談が恥ずかしいのか、放置や自己流の対策に頼る傾向が女性よりある」

 ガイドラインの便秘の定義は、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」。排便回数が少ない(週3回未満)だけでなく、排便後スッキリしない(残便感)、便がバナナ状ではなくコロコロした便や水便、いきまないと便が出ない――などに該当するなら便秘と考え、内科や消化器内科を受診すべきだ。

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