ビタミンCの吸収と胃がんや早産にもかかわる2つの遺伝子
「SVCT1は肝臓や肺、腎臓、腸、皮膚にあって、SVCT2よりも最大取り込み速度が高く、体内のビタミンC濃度を一定に保つ働きをします。一方、SVCT2は脳や目、肝臓にあり、SVCT1より親和性が高く、低濃度のビタミンCを効率的に取り込む役割があります。この2つの遺伝子を例えると料理用の計量スプーン。前者が大スプーンなら後者が小スプーンというわけです。これらが状況に応じて、使い分けられるのです」
ところがこの2つの遺伝子が壊れると、その壊れた場所によってビタミンCの吸収に大きな差が生まれる。結果、同じようにビタミンCを取っていても体に吸収される量に差が出る。
「ビタミンCを吸収しにくい遺伝子を持っている人は、ビタミンCがすんなりと細胞に入っていかず、遺伝子が正常な人のようにコラーゲンの合成の促進や細胞をさびさせる活性酸素の消去がうまくいかずに皮膚などの老化が進む場合もあるのです」
この遺伝子が欠損している部位によっては、ビタミンCの吸収には差はないものの、胃がんや早産、緑内障などの発症に関係する可能性があることもわかってきているという。
どの栄養素を、どれだけ食べたらいいのか。それも少なからず遺伝子が関係しているということだ。