酒で顔が赤くなる人はがんになりやすい 違いは解毒遺伝子
では、ALDH2遺伝子の能力の差は何が決めているのか? それはたった1つの塩基配列の違いによって起こるといわれている。
そもそも体の中の遺伝情報はDNA(デオキシリボ核酸)という物質に蓄えられている。それは塩基と呼ばれる、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の文字の組み合わせで表現される。それによって生命反応や構造を担うタンパク質がつくられるからだ。
ところが、遺伝子の中には塩基が1つだけ別のものに置き換わる場合がある。これをSNP(スニップ=一塩基多型)と言い、それが個人差となる。
ALDH2遺伝子には3つのタイプがあるといわれている。国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。
「自分自身のALDH2遺伝子がどのタイプかは、毛髪検査で判別できるといわれています。ALDH2遺伝子には、お酒に強いNN型、飲めるがすぐに顔が赤くなるMN型、下戸のMM型という3つのタイプがあります」
最近の研究では、MM型は食道がんのリスクが他の型よりも高いことが分かっている。下戸の人は、お酒を無理して付き合わないことだ。