酒で顔が赤くなる人はがんになりやすい 違いは解毒遺伝子
「おまえ、体が大きいからお酒が強そうだな」――。酒席でそう言われて困っている大柄な人を見かける。体の大きい欧米人に比べて日本人はお酒が弱い。そのせいか「体が大きい=お酒が強い」などと勝手に思い込んでいる人も少なくない。しかし、これは間違いだ。お酒が強いか弱いかは体の大きさとは関係ない。関係するのは解毒遺伝子「ALDH2遺伝子」の能力の差だ。
お酒を飲むと、お酒に含まれるアルコールは胃で20%、小腸で80%が吸収され、その大部分が肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)によって「アセトアルデヒド」に分解される。アセトアルデヒドはさらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって分解され酢酸に変身。血液と共に体内に循環する間に炭酸ガスと水になり、最終的に汗や尿となって体外に排出される。お酒を飲むと顔が赤くなったり、頭痛がしたり、吐き気を催すのは、このアセトアルデヒドが持つ毒性のせいだ。お酒が弱い人は、お酒のアセトアルデヒドを無毒化するALDH2遺伝子の解毒能力が低い。すぐには酢酸に分解できずに、血液中にため込んでしまい、血液が体中を巡っている間にさまざまな臓器を攻撃してしまうのだ。