著者のコラム一覧
横山啓太郎東京慈恵会医科大学教授

1985年東京慈恵会医科大学医学部卒。虎の門病院腎センター医員を経て現在、東京慈恵会医科大学教授。同大学晴海トリトンクリニック所長。

医師よりデータ ウエアラブル端末が患者を積極的に変える

公開日: 更新日:

 生活習慣病の克服に消極的な患者を“その気”にさせるにはどうしたらいいのか? 東京慈恵会医科大学教授として本院で「行動変容外来」を主導しつつ、「慈恵医大晴海トリトンクリニック」の所長も務める横山啓太郎医師が注目しているのは「ウエアラブル端末」(着用できるコンピューター)だ。例えば、小さく丸いセンサーを上腕部に装着することで血糖値の近似値であるグルコースを15分ごとに自動記録する装置がある。最大14日分、1340回の測定データは患者が食事改善に向かう大きな動機付けになるという。

「手帳やスマホなどに食事した時間とその内容を記録しておき、後でその時間帯のグルコースのデータを見比べると多くのことがわかってきます」

“自分はパンを食べると○○分後に血糖値が急激に上がる”とか“野菜はほとんど上がらない”など自分の体質が浮かび上がってくる。そうすると血糖値が上がりにくいとされる食べ物を食べるようになり、その時のグルコースデータを見て、食べ方までも工夫するようになる。

「計測データを得ることで患者さんが自分を“実験材料”“観察対象者”として客観視するようになるのです。そして血糖値が上がるのはなぜか(問題の発見)、それを抑えるには何を食べればいいのか(仮説の設定)、それを実際に食べたときの実験データを分析し、結論を得て、さらに問題点を考える。健康を科学的に考えられるようになるわけです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が