白内障なら細隙灯顕微鏡検査 失明原因の4疾患の検査法は?
似たような名前の緑内障(国内では失明原因の第1位)は、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症と並んで、中途失明を起こす恐れがあります。緑内障は視神経が障害されるのに対し、加齢黄斑変性症と糖尿病網膜症は、網膜が障害されるのが原因です。
緑内障は病状の進行につれて少しずつ視野が狭くなり、加齢黄斑変性症は網膜の中心の黄斑が障害されるため、視野の中心が暗くなったり、欠けたりするほか、モノが歪んで見えたりするのが特徴。糖尿病網膜症は、黄斑が障害されない限り、症状が表れにくく、発見が遅れやすい。繰り返しになりますが、どれも失明原因なので、発見が遅れると光を失いかねません。
では、どうするか。これらを調べる決め手が、眼底検査です。眼底検査は薬で瞳孔を開いてから行う場合と使わずに行う場合があり、より詳しく網膜や視神経が集まる視神経乳頭部をチェックできます。この検査との組み合わせで、これらの病気を鑑別するのです。
緑内障は、さらに視野検査と眼圧検査をプラス。視野検査は、どの部分が見えて、どの部分が見えないかを調べるもので、眼圧検査は“目の硬さ”を判定するもの。糖尿病網膜症は、糖尿病に関連する検査との総合判断で、加齢黄斑変性症は視力検査と併せて判断します。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)