著者のコラム一覧
北沢伊斉藤歯科医院院長

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

「親知らず」はきちんと手入れしていれば抜く必要はない

公開日: 更新日:

【Q】親知らずがあります。そのままにしておいても問題ないでしょうか

【A】大丈夫です。親知らずは必ず抜かないといけないわけではありません。

 もし、親知らずが噛み合わせの中できちんと機能していて、しっかりプラークコントロール(適切な歯磨きがなされている状態)できている場合、抜く必要はないのです。

 僕は月に何度か親知らずを移植する処置を行っています。あまり知られていませんが、抜歯直後に移植すれば高い確率でしっかりと根付いてくれるので、口の中で完全な状態で残っていれば、親知らずを「移植歯」として使うこともできるのです。まだ親知らずがある方は、いつか必要になったときのためにきちんと手入れをして残しておくのもいいかもしれません。

 ただし、技術も経験もない歯科医師が処置した場合、せっかく移植してもらっても根付かずに抜けてしまう場合があります。正しい技術と経験を持つ優良な歯科医師に処置してもらいましょう。

 患者さんで、他の医院で「インプラントを2本入れましょう」と言われ、セカンドオピニオンで来院された50代の女性がいます。僕がインプラント専門医だったこともあり、「どうせ入れるなら専門家のところで」ということでいらしたのですが、口の中を拝見すると親知らずが完璧な状態で2本残っていたので、「インプラントではなく親知らずを移植しましょう」と勧めました。その方は、2本で100万円くらいかかるだろうと予想して大金を握りしめていらっしゃいましたが、保険適用内で収まって使わずに済みました。

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