著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

高齢になるほど減少する「脂質」摂取の年齢ごとの内訳は?

公開日: 更新日:

 今回は脂肪の摂取の内訳と年齢ごとの違いについてです。全摂取エネルギーにおける脂質の割合は、若い世代と比べ高齢になるほど減少し、男性のデータでは、20代では29.2%に対し、70代では24.6%、80歳以上では23.4%です。

 ここでも炭水化物の摂取割合が高齢ほど高率であったのと同様にその解釈はさまざまです。ひとつは世代間の違いで昔の人は脂質をあまり食べなかったという推測、もうひとつは脂質を多くとる人が死んでいって、生き残った人では脂質の割合が低い可能性、さらに、高齢になるにしたがって脂質の摂取割合が減っていくという解釈も可能です。

 このデータだけからはどれが真実かはわかりません。

 さらに、脂質自体をどんな食材からとっているかを年代ごとで見てみましょう。20代では肉類から29.5%、魚類から5.1%ですが、70代ではそれぞれ21.4%、11.4%、80歳以上では20.4%、11.5%となっています。この傾向は年齢が上昇するにつれ、なだらかに変化し、どこかに変化のポイントがあるわけではありません。高齢者は、若者と比べると脂質全体の摂取量が少なく、割合も低下し、その内訳として肉類の摂取割合の低さが目立ち、魚類の割合が2倍以上高いという結果です。

 ここでの解釈もさまざまですが、肉類をたくさん食べる人は早死にで、生き残った高齢者は魚を多く食べているとか、高齢者は魚ばっかり食べているので元気がないのだとか、適当なことを言う人が出てきます。それはいずれもひとつの解釈に過ぎません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」