「まだ生きなきゃ」いまも乳がんと闘う大月絢美さんの覚悟
病気になって変わったのは、「誰かのために何かをしたい」と思うようになったことです。それまでは「自分の幸せ」が中心でしたが、弱い人の立場を知ることができて価値観が変わりました。BEC(乳がん体験者コーディネーター)資格を取得したのも、そんな気持ちから。せっかく乳がんになったのだから、私がやっている音楽と乳がん体験を融合させた活動をしたいと思ったのです。最近は、それができるようになってきましたし、おかげさまでやりたいことしかやっていません(笑い)。
ステージ4になって、自分を大事にするとともに、周りの人を悲しませてはいけないと考えるようになりました。そのためにも「まだ生きなきゃ」と思いますし、そう、いろんな覚悟ができつつあるところです。
(聞き手=松永詠美子)
▽おおつき・あやみ 1982年、東京都生まれ。5歳で児童劇団に入団してテレビドラマなどで活躍。高校生から歌手を目指し、2009年にCDデビューを果たす。2011年に母親の乳がんが発覚し、2015年には自分の乳がんがわかった。その後、母の死を乗り越えて歌手に復帰。2017年には乳がん体験者コーディネーター(BEC)資格を取得した。ライブ活動と並行して乳がん体験者としての活動にも尽力。世田谷区立男女共同参画センター「らぷらす」の乳がん体験者サロンでは進行役を務めている。