肝臓がんは九州沖縄が中心 がん患者の分布と地域性の理由
佐賀県の肝臓がんの患者数は1999年から19年連続でワーストでしたが、昨年の速報値で31・4となって、和歌山の32を下回り、20年ぶりに最下位を脱却したことが話題になりました。なぜ、20年も佐賀がワーストだったのかというと、がん患者の分布には地域性が関係しているのです。
肝臓がんの7割は、C型肝炎ウイルスの感染で、その感染者が九州を中心に西日本に多く、福岡や長崎、大分なども高い割合になっています。
しかし、佐賀県は肝炎ウイルスの検査費用を補助したり、医療機関などとの連携を強化したりして、ワーストを脱却。佐賀の取り組みは、感染型のがんは予防可能なことを示しています。
白血病のひとつ、成人T細胞白血病も沖縄や九州に多い。原因となるHTLV―1ウイルスの感染者がこのエリアに集中していて、今年5月には鹿児島や沖縄、福岡、佐賀などでの感染者急増が報じられました。母乳や性交渉で感染するため、対策が急務でしょう。
■遺伝はせいぜい5%