持病に糖尿病やがん…新型肺炎からどうやって身を守るべき
がん患者で要注意は骨髄機能
感染症予防というと、持病でがんがある人も厄介だ。がんは、免疫細胞の働きを抑えるため、免疫力が下がりやすいうえ、がんの治療でさらに低下しかねない。そういえば中国での1人目の死亡者は、がんと肝臓病を抱えていた。東大医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授が言う。
「抗がん剤治療の後は、骨髄機能が低下し、細菌やウイルスから身を守る働きがある白血球が減ることがあります。抗がん剤治療後は、特に要注意ですが、そうでなくても、新型コロナウイルスが問題視される今は、主治医に骨髄機能の状態を確認しておき、指示を受けるとよいでしょう」
一般的には外出を控える、生ものの食事は避ける、手洗いをすることが大切だという。
「手指の衛生は、感染予防対策の中で最も重要です。がん患者も、そうでなくても、カバンにアルコール入りの手指消毒剤を入れておくことをお勧めします」(中川氏)
現在、世界中の研究者がワクチンや特効薬の開発を急いでいる。既存の抗ウイルス薬が応用できないか調べる研究も同時進行で、抗エイズウイルス薬が重症者の容体を劇的に改善したという報告がある。本格的な治療法が見つかるまでは、持病の管理と手指の消毒をしっかりやろう。