新型コロナ治療薬の希望の光 siRNAにかかる期待とハードル

公開日: 更新日:

「どの部分の21塩基を取り出せば最適なのかは現在も研究中ですが、そこまで時間はかからないだろうと予想されています。いまはスクリーニングの技術が進歩していて、ウイルス遺伝子のどこの部分がホットスポットなのか、ある程度予測がつくからです」

 最大の課題は、siRNAをどうやって狙った細胞の中に到達させるかだという。

「これまでに研究されたり開発されているsiRNA核酸医薬品は病気の原因になっている遺伝子に狙いを定め、siRNAを到達させれば有効でした。しかし、今回はウイルスに感染している細胞を選び、さらに細胞の中までsiRNAを到達させなければなりません。そもそも細胞膜に包まれた細胞の中にsiRNAを到達させるのは難しく、実験では細胞膜を緩める試薬と混ぜたり、一時的に電気ショックをかけて細胞膜を緩める方法が行われています。こうした手段は実際の患者さんには使えませんからハードルは高いといえます」

 新しい治療薬の登場は時間がかかりそうだが、いずれやってくるだろうコロナの再パンデミックに備える意味でも期待したい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド