高齢者のアルコール依存症が急増 コロナによる孤独で拍車
■妻を亡くしたタイミングで…
「ずっと適度な晩酌だった人でも、なんらかの喪失体験をきっかけに問題飲酒に移行し、やがてアルコール依存症に至るケースがあります。そして65歳以上になると、ライフサイクルの中で避けられない喪失体験が多々ある。特に、男性ほどその傾向が見られます」
「定年退職で自分の存在意義を見失った」「家庭に居場所がない」「身体機能や性機能が低下し男として自信を失う」「体力の衰えを感じる」「友人や同級生を亡くす」「配偶者を亡くす」――。
中でも、配偶者を亡くした後、その喪失感から空いた時間を全て酒につぎ込むようになる人は男性に多い。
それを食い止めるには、子供である自分と家族が電話をしたり、実家を訪れるなどして喪失した心の隙間を少しでも埋めていくしかない。高齢者のアルコール依存症の治療をやっている専門機関を探して相談する手もある。
高齢者のアルコール依存症は、他人事として切り捨てられない。これが、念頭に置いておきたいことのもう1つだ。