植物由来の色素が有効 ブドウやイチゴが大腸を健康にする
ブドウやイチゴ、ブルーベリーなどの果物には、アントシアニンと呼ばれる植物由来の色素が含まれています。
このアントシアニンには多くの健康効果が確認されています。抗酸化作用があって血管を若く保ち、動脈硬化の進行を抑えます。このことにより虚血性心疾患や脳卒中の予防効果があるという報告もあるのです。さらに最近注目されているのが腸に対する作用です。
アントシアニンはそれ自体ではほとんど吸収されず、腸内細菌の働きにより分解されてその効果を表すと考えられています。大腸はアントシアニンの代謝物による良い影響を、一番受けやすい場所なのです。
2019年の栄養学の専門誌に掲載された論文によると、アントシアニンを多く含むイチゴの抽出物を取ることにより、糖尿病のネズミの腸内細菌が変化して、善玉菌が増加したという報告があります。また、腸の粘膜の炎症を抑えて、潰瘍性大腸炎などの腸の病気の予防になるのではないか、という報告もあります。さらに大腸がんについては、動物実験においてアントシアニンを使用することにより、大腸がんの予防効果が認められたという研究や、大腸がんの細胞を死滅させるような効果が見られた、という研究結果が報告されているのです。
腸の健康のためにはブドウやイチゴを食べることが効果的かも知れません。