著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

胃薬で糖尿病になるリスクが増加 消化器専門誌が論文掲載

公開日: 更新日:

 糖尿病は生活習慣病の代表で、世界的に患者数が増加している現代の病気です。血糖が上昇して尿に糖が出るばかりでなく、全身の血管が障害されて、腎臓病や心筋梗塞など、全身の重い病気の原因となるのです。

 多くの糖尿病は生まれつきの体質と、生活習慣などの環境要因が合わさって起こると考えられています。環境要因の中で最近注目されているのが腸内細菌です。

 人間の腸の中には多くの細菌がすんでいて、毎日食べる食事を分け合い、その消化は吸収を助けることで、体の代謝に大きな影響を与えています。

 この腸内細菌は食べるものが変わると簡単に入れ替わるのですが、同じ食事をしていれば容易には変化しません。太りやすさのような体質は、生まれつきのものと思われますが、実は腸内細菌によって決められている部分も多いのです。

 腸内細菌は薬によっても変化します。最近、胃潰瘍や逆流性食道炎に使用されている、強力に胃酸を抑える胃薬は、腸内細菌を変化させることが知られています。

 今年の消化器学の専門誌に掲載された論文によると、こうした胃薬を長期間飲んでいる人は、そうでない人と比較して、24%も糖尿病になるリスクが増加していました。  

 もちろん必要な時には強い胃薬も飲むことをためらうべきではありませんが、漫然と強い薬を続けることは、他の病気の原因となるケースもあるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末