尿道炎を起こすプラズマ感染症 近年になって原因菌を特定
尿道炎は、尿道に病原体が感染して炎症を起こした病態です。その原因は細菌の一種である「クラミジア」と「淋菌」で約70%を占めます。それ以外の原因で起きている尿道炎は「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」と分類されます。それは、これまで原因の特定が困難だったからです。
しかし、近年では非クラミジア性非淋菌性尿道炎のうち、約20%が細菌の一種である「マイコプラズマ」か「ウレアプラズマ」が原因であることが分かってきました。最近は、どちらかが原因の場合は「性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症」と呼ばれます。女性の場合は子宮頚部に感染し、「子宮頚管炎」の原因になります。
「マイコプラズマ」は、肺炎を起こす原因菌(マイコプラズマ・ニューモニエ)としても知られていますが種類が異なります。尿道炎の原因になるのは「マイコプラズマ・ジェニタリウム」と「マイコプラズマ・ホミニス」の2種類です。ウレアプラズマは、「ウレアプラズマ・ウレアリチカム」と「ウレアプラズマ・パルバム」の2種類が尿道炎の原因になります。
この4種類の原因菌は、日本では2012年から検査が可能となり、「核酸増幅法(PCR検査)」によって一度に診断できます。検体は男性では「尿」を用いて、女性では「腟分泌物」を綿棒でぬぐい取り採取(スワブ法)します。また、クラミジアや淋菌と同様にのどにも感染しますので、咽頭ぬぐい液を用いて調べます。