矢方美紀さん 25歳で乳がんに「世界の見え方が変わった」
先生のお話では、「20~30代の若年性乳がんでは、残しておくと中高年になって再び乳がんに罹患する可能性がある。もし罹患してしまうともう手術ができないから、今しっかり取り除いたほうがいいだろう」とのことでした。
仕方なく全摘を決断すると、次は「乳房再建をどうするか」という話になります。乳房の同時再建術をすれば、片胸のない状態を見なくて済むメリットはありますが、もしその後に放射線治療を行うと、人工物にしろ自家組織で再建するにしろ、劣化や変形の可能性を伴うと言われました。
放射線治療をするかしないかは、手術後に病理検査をしてみないとわかりません。幸い再建手術にも保険が利くようになったと聞きましたし、全摘後に再建した胸の写真をいくつか見せてもらったところとてもきれいだったので、「後からでもいいか」と思って同時再建は選択しませんでした。
案の条、術後の治療は抗がん剤と放射線になり、加えてホルモン治療をすることになりました。10年間、薬を飲み続ける治療です。抗がん剤ではほとんどの毛が抜けました。体調不良の悩みも尽きませんでした。今も3カ月に1回の検診、年に1回のエコー検査や右胸のマンモグラフィー検査もしています。