隠れコロナ患者がいた病院でクラスターが発生しなかった理由
「内視鏡検査という、エアロゾルを大量に発生させる極めてハイリスクな暴露状態であり、日本の過去の事例から、濃厚接触スタッフは、感染は免れないと予想しました」
接触数日後、鼻咽頭PCR検査を実施。その結果、東邦鎌谷病院の濃厚接触スタッフ8人、非濃厚接触スタッフ15人、非濃厚接触病棟患者2人は、全員が陰性だった。
■だれでも手軽に入手できる漢方薬を飲んでいた
クラスターが発生してもまったくおかしくない状況だったにもかかわらず、そうならなかった理由を、柳医師は「荊芥連翹湯」という漢方薬を飲んでいたことが大きいと確信している。
「濃厚接触・非濃厚接触スタッフは全員、感染予防対策として荊芥連翹湯のエキス剤2・5グラムを帰宅後もしくは寝る前に服用していました。さらに感染暴露後は、濃厚接触スタッフ群には服用量を増やし、荊芥連翹湯エキス剤7・5グラムを5日間服用することを勧めました」
荊芥連翹湯は抗ウイルス効果がある漢方薬で、慢性副鼻腔炎、慢性鼻炎、慢性へんとう炎、にきびの治療に使われる。