「薬の飲み忘れ」や「注射の打ち忘れ」は主治医へ相談を
具体的には、「自分は軽症で服薬管理は難しくない」といった楽観的志向と、「フルタイム就業などで生活が多忙で服薬管理は難しいと感じており、自分の病態の現状をあきらめている」といった治療あきらめ志向です。
なお、これら残薬について医師に報告しているかという質問に対しては、残薬がある患者のうち34・7%は「申告をしていない」。つまり、3人に1人は残薬を申告していませんでした。
■使いやすいタイプに変更できるチャンス
もし残薬やインスリン注射の打ち忘れがあるようなら、「怒られるかも」などと思わず、ぜひとも医師に申告してください。薬の開発は日進月歩であり、新しい薬が登場しています。複数種類の薬が合わさった合剤や、週1回の注射でよいインスリン注射、また1日のうちでどのタイミングで打ってもいい注射などが出ています。
冒頭で述べたように、医師側としては、薬の飲み忘れ・インスリン注射の打ち忘れは極力避けたい。もし飲み忘れ、打ち忘れがあるようなら、どうすればそうならずに済むかを考え、対策を講じます。糖尿病の患者さんは、高血圧や脂質異常症などほかの生活習慣病を抱えている人も多い。何種類もの薬を飲んでいる場合は、ほかの薬と飲むタイミングを同じにできる糖尿病の薬に替えるという手もあります。患者さんの性格によって、週1回のインスリン注射の方が合っている人もいれば、むしろ毎日打つ方が打ち忘れがないという人もいるでしょう。