著者のコラム一覧
葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

アトピー性皮膚炎<上>塗り薬は「やめ時」が肝心

公開日: 更新日:

 2018年には、サイトカインという炎症物質を抑えるデュピクセントという注射薬が保険適用となっています。皮膚の内側で起こっている炎症を抑える効果があり、有効性も高く高額医療保険の適用もされています。

 20年12月にはオルミエントという飲み薬も保険適用となりました。これも炎症性サイトカインの活性化を抑える治療薬です。注射が嫌いな方はこちらの方がいいかもしれません。しかし帯状疱疹などの感染症になりやすくなる副作用もありますので、主治医の先生と相談して選択しましょう。

 アトピー性皮膚炎の治療の基本は外用療法なので、中等度以上の方の治療は基本的には塗り薬と注射(デュピクセント)や飲み薬(オルミエント)で進めていきます。注射薬や飲み薬を使うことで比較的早めにかゆみの改善が見られます。

 治療後4~6カ月経っても治療反応が見られない場合は、それ以降の治療方針の見直しが必要ですが、多くの場合は改善が見られます。

 ただ、治療で注意すべきは、外用薬のやめ時です。かゆみが治まっても、皮膚がザラザラしていたり、粉っぽさが残っていると、症状が再燃します。見た目は良くなったようでも、皮膚の中の炎症が治まるまでは薬を塗り続けなければなりません。そしてスキンケアは必ず行いましょう。

 アトピー性皮膚炎は治療の選択地が増えたため不治の病ではなくなりました。治療をあきらめていた方もぜひ皮膚科に行ってみてください。きっとご自身に合った治療が見つかるはずです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」