著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

苦労しないで痩せられる? GLP-1ダイエットは是か否か

公開日: 更新日:

「痩せる薬」として知られるのが、2型糖尿病の治療薬のひとつ「GLP-1受容体作動薬」です。

「GLP」「ダイエット」とインターネットの検索ワードに打ち込むと、GLP-1受容体作動薬を使ったダイエットメニューを掲げるクリニックがいくつもヒットします。目立つのは、「食事制限なし」「運動なし」「自然に痩せられる」といった文言。「痩せたい! でもつらいことは避けたい」と思う人には、夢のようなダイエットですよね。飛びつきたくなる気持ちも分かりますが、その前に、ぜひ次のことを知って欲しいのです。

 まず、2型糖尿病の治療以外でGLP-1受容体作動薬を使うことに対して、日本糖尿病学会は「やめるべき」という見解を発表しています。一部のGLP-1受容体作動薬については、健康障害リスクの高い肥満症患者への臨床試験が実施されていますが、その結果はまだ出ていません。そのため、美容・痩身・ダイエットなどを目的とする「適応外使用」に関して、2型糖尿病ではない日本人の安全性と有効性が確認されていないのです。

「やめるべき」という立場は、GLP-1受容体作動薬を製造・販売している製薬企業4社も同様で、「本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されます」と強調しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」