仕事が忙しくて睡眠不足…休日に寝だめはできますか?
平日の睡眠不足を補うために、休日にまとめて睡眠をとる「寝だめ」。結論からいうと、寝だめはできません。
脳は使い続けると疲労が蓄積します。睡眠をとるのは脳を休ませるためで、睡眠不足とは脳と体の疲労が取り切れない状態をいいます。睡眠不足の状態が続くと「睡眠負債」を抱えます。それにより倦怠感や頭痛、抑うつ、不安障害、認知症のリスクを高め、糖尿病と心臓病の悪化にもつながると報告されています。
睡眠負債をなくすために休日にまとめて寝ても、一時的にスッキリしますが、慢性的な疲労状態は十分改善されません。たとえば、寝だめした翌日に徹夜に耐えられるかといえばそうでもない。眠気にもおそわれます。その人にとっての必要な睡眠時間を毎日確保することが大事。逆に、毎日の睡眠時間が足りている人が、睡眠を多くとると質が落ち、眠りが浅くなります。
むしろ休日の寝だめによって、体内時計のリズムに変調をきたし平日に普段通り起きられなくなるケースがあります。クリニックにも、「月曜の朝起きられずに欠勤してしまった」と、抑うつ状態になった患者さんが時々いらっしゃいます。リズムを崩さないため、休日に寝だめするなら「平日の睡眠時間のプラス2時間まで」とアドバイスしています。起きた後、すぐにベランダや窓際に立って日光を浴びると体内時計がリセットされてリズムが整うので、試してみましょう。