真冬の睡眠 寝室温度「18度以上」をキープしないと健康トラブルにつながる
■「換気」も重要
同調査では、対象となった2094軒の冬の寝室の就寝中平均室温は12.6度とかなり低い数字だった。冷え込む真冬に睡眠の質を高めてさまざまな健康トラブルを防ぐには、まずはエアコンをつけたまま就寝して「室温18度以上」をキープするようにしたい。
「布団内の温度を維持するため電気毛布などの温熱寝具で温めるのはおすすめできません。深部体温は、寝る前、就寝中、起床時で1度くらい変動します。しかし、温熱寝具は体全体を機械的にずっと温め続けるので、いつまでも深部体温が下がらずに睡眠の質が下がってしまうのです。ですから、室温を18度以上に保った状態にして、あくまで自身の体温で布団内の温度を維持することが大切です」
ただし、室温18度以上を保つうえで注意すべきなのが「換気」だという。室温をキープするため、窓やドアを閉め切って寒い外気を取り込まずにいると、呼気によって室内の二酸化炭素(CO2)の濃度が高くなる危険があるという。
「体内のCO2濃度が高くなると血液が酸性に傾き、呼吸をつかさどる自律神経が正常に機能することができなくなります。その結果、頭痛や倦怠感といった症状が表れます。大気中のCO2濃度は0.03%なのに対し、呼気には4.5%のCO2が含まれています。マンションなどの気密性が高い住居で窓やドアを閉め切ったまま夫婦や家族と一緒に就寝すると、想像以上にCO2濃度が高くなり、健康トラブルにつながるリスクがあります。CO2は室内の低い場所にたまっていきますから、床に近いベッドや布団の上はなおさら注意が必要です」
寒い冬は、寝室のエアコンをつけっぱなしにして室温18度以上をキープしながら、換気のため廊下側のドアは開けたまま眠りに就くことを心がけたい。