LOUDNESSドラマー鈴木政行さん 脳梗塞から奇跡の復帰を語る
いっそ匍匐前進で大通りまで出て、大声で叫んだら誰か救急車を呼んでくれるんじゃないかと思いましたが、2月の札幌は一面の雪景色で路面は凍っていて、左腕で匍匐前進では死ぬと思い、諦めて水を飲んで寝たというわけです。
朝、目覚めたら少ししゃべれるようになっていたので、母親に友人へ電話してもらい「いいから家に来て」とお願いして、クルマで病院へ連れて行ってもらい、即カテーテルで脳血管の詰まりを取ってもらって今があります。詰まっていた時間が長かったので、最初は自分の名前もわからないし、鏡を見ても「誰?」という状態でした。夜中に涙が止まらなくて、涙で目が腫れて恥ずかしかったことを覚えています。
右半身は、頭のてっぺんから足の先まで重度のヤケドのような痛みがあり、内臓まで麻痺しているので息がしにくい。のみ込む筋肉も半分ない状態なので、1週間は流動食も無理でした。退院まで約3カ月かけて少しずつ口から食べられるようになったのです。今でも、高次脳機能障害、右半身麻痺、感覚障害、失語症、記憶障害、言語障害といった後遺症があります。