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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

8割の人が唾液や精液、毛髪などから血液型が分かる理由

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 分泌型の人の全身に、組織血液型抗原が分布しているという事実は、感染症を考えるうえで重要です。ウイルスや細菌は、皮膚に取りついたり、気管や消化管の内壁に取りついたりして、感染を成立させます。その際、人の細胞の表面とうまく接着できるかどうかが、最も重要な問題になります。たとえば新型コロナウイルスは、ウイルス表面のSタンパク質と、人の気管細胞の表面に突き出ているACE2タンパク質がうまく結合して、初めて感染できるのです。そうでなければ、痰などで体外に排泄されてしまいます。コロナに限らず、病原体が感染するためには、こうした何らかの手がかりが必要になります。

 その手がかりとして、組織血液型抗原は有力な候補のひとつと見なされています。なにしろ人体のいたるところに大量に存在するのですから、感染する側からすれば、好都合なターゲットになりえます。そして実際に、消化器や呼吸器の組織血液型抗原を利用して感染を成立させる細菌やウイルスが、何種類か見つかっているのです。

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