くも膜下出血は発症2週間で人生が決まる 手術成功でも死のリスク

公開日: 更新日:

 なお、推奨度はA~Iで分類されており、Aが最もグレードが高い。また、米国、欧州では脳血管攣縮で承認されている薬はない。

 今回発売の薬「クラゾセンタン」は、強力かつ持続的な血管収縮物質「エンドセリン」の働きを阻害する作用がある。脳血管攣縮の発現メカニズムは明らかではないが、エンドセリンの関連が指摘されている。クラゾセンタンをくも膜下出血術後に投与した臨床試験では、クリッピング術、コイル塞栓術どちらも、脳血管攣縮の発現割合、起こった場合の重症度が有意に低かった。

「従来の2種類の薬は脳血管攣縮が起こった時に使うもの。脳血管攣縮はいつ起こるかわからず、起こったらできる限り早く対処して死に至らせない、後遺症を残さないというのが脳外科医の使命でした。ただ、これが非常に大変だったのです。一方、新薬は術後の投与で脳血管攣縮を抑制できるというエビデンスがある。今後臨床現場で、くも膜下出血の患者さんの福音となることが期待されます」

 クラゾセンタンに関連した副作用としては、体液貯留(肺水腫、胸水、脳浮腫)、低血圧、貧血がある。しかし大部分は適切なモニタリングや患者管理で軽減できることが確認されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」