コロナ第7波で自宅療養者が急増中 死を招く「エコノミークラス症候群」に気をつけろ
心臓から全身に送り出される血液は、その約70%が重力によって下半身に集まるとされている。下半身にたまった血液は、ふくらはぎの筋肉が収縮してポンプのように働くことにより、静脈から心臓に戻される。ふくらはぎの動きが少なくなると、血液は下半身にたまったままになってしまう。
「ふくらはぎをあまり動かさない状態が続き、下肢の静脈で血液がうっ滞すると、血栓が形成されやすくなります。血栓のほとんどは小さなものですが、血管内で固まって大きくなるケースもあり、これが肺動脈に詰まると死亡につながる危険があるのです。エコノミークラス症候群は、長時間の飛行以外に、災害時の避難所や車中泊でも発症するケースが知られています。また、かつて私が実施したICUにおける調査でも、股関節や膝の整形外科手術を受けた人や長期臥床の重症患者は、適切な予防法なしでは2~3割の人に静脈血栓が形成されていることがわかりました。ふくらはぎの動きが少なくなってしまう環境は、エコノミークラス症候群のリスクをアップさせるのです」
■利尿薬を服用している人はより危険