血管の老化が原因だったはずが… 脳梗塞は若年層で増えている
脳梗塞は脳の血管が詰まって血液が流れなくなる病気で、重症では命に関わりますし、体が動かなくなるマヒなど、深刻な後遺症を残すこともあります。その原因の多くは血管が硬くなる動脈硬化で、そのため血管が老化する高齢者に多い病気と考えられてきました。
ところが、最近若くても脳梗塞を起こすという事例が増えて問題となっています。今年の米国医師会による医学誌に、イギリスでの調査結果が報告されています。それによると、2010年から2018年に報告されている脳梗塞は、それ以前の時期と比較して、55歳以上の年齢では減少している一方で、55歳未満という比較的若い年齢では、増加していることが明らかになったのです。
この若い年齢で発症する脳梗塞は、高血圧や糖尿病、肥満など、動脈硬化を進める原因となるような病気を持っていると起こりやすいのですが、そうした病気を持っていない人でも増えています。そして、急性心筋梗塞など他の動脈硬化の病気では、そうした若年層での増加は見られていません。この若い年齢での脳梗塞は、ストレスの強い仕事をしていると起こりやすいという特徴も指摘されています。
ストレス社会といわれる現代では、血管の老化がストレスの影響で早く進行して、こうした現象が起こっているのかも知れません。