森大祐
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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

寝てバンザイがスムーズにできるかどうか…肩のチェック法

公開日: 更新日:

「髪が洗いにくいのと、おそばが好きなんですが、おそばの器を持ち上げられず、うまくすすれません。当然、腕は上がりにくいです」

 こんなふうに訴えたのは、写真の女性。肩の可動域を拝見すると、右腕は外旋30度、左腕は0度。可動域というのは関節がスムーズに動ける角度のことで、外旋というのは、肘を曲げた「小さく前へならえ」の姿勢からどれくらい横に開けられるか、ということです。女性は左腕がちぢこまっているので、生活にさまざまな支障が出てきているのです。

 日常生活を送る上で、私たちは体のあちこちにある関節を動かしています。この関節がスムーズに動かなくなれば、生活の質(QOL)は下がりますし、関節を動かさないためにより機能は低下します。おかしいなと思ったら、早い段階で整形外科を受診してほしいのです。

 では、肩関節では可動域はどれくらいあればいいのか? Udakaという人が「Journal of Clinical Rehabilitation」で報告している内容によれば、腕を自然に下ろし、そこから体の前を通って肘が胸の高さに来るくらい(屈曲)、腕を横に上げて肘が耳の辺りに来るくらい(外転)、前出の外旋では約30度くらい。

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