森維久郎
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森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

慢性腎臓病は適度な運動で生命予後が延び、生活の質が上がる

公開日: 更新日:

 今回は「腎臓リハビリテーション」についてお話ししたいと思います。

 腎臓リハビリテーションは、運動食事、精神面などを包括して、慢性腎臓病(CKD)の患者さんをサポートするプログラムのこと。公式な学会があり、腎保護の可能性が期待できるとして、いま注目されている取り組みです。

 現在、透析になる前の患者さんに対して腎臓リハビリテーションが行われているクリニックは珍しいです。

 かつて、慢性腎臓病の患者さんには「運動を控えましょう」という指導がされていました。ところがここ10年でそれが変わり、いまは「慢性腎臓病の方も適度な運動をしましょう」と医師が推奨するようになっています。

 慢性腎臓病の患者さんが適度な運動をしたところ、腎保護や生命予後、QOLの面でいい結果が出たというデータが蓄積された。そのため、そのような指導に変わってきたということなんですね。

 適度な運動を推奨する方向に変わったのは、高齢社会であるということも理由のひとつです。慢性腎臓病の患者さんの身体機能は、健康な人に比べて7割程度になる。ご高齢の腎臓病の患者さんの場合、身体機能の衰えは、サルコペニアやフレイルと呼ばれる虚弱状態になる可能性が高くなります。その結果、寝たきりになることが多くなる現状を踏まえ、予防するためにも「適度な運動を行うように」という指導になりました。

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